サプリメントの効果と害

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ローヤルゼリーにはどんな効果があるか?

認知症 ローヤルゼリー

 

 ローヤルゼリーは、サプリメントの中でもよく使われるもののようです。いかにも効果がありそうな宣伝がなされていますが、実際に効果は検証されているのでしょうか。調べてみました。

 

意外にも研究が少ない

 

 これほど普及しているわりに医学論文は少なく、質の高い臨床研究はほとんど見つかりませんでした。PubMed Clinical Queriesでは、このような結果でした。

f:id:cometlog:20140921160653p:plain

 

 Therapy/Narrowで検索し、Humansの絞り込みをしていますが、たった8件のみ。

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ω-3脂肪酸、またも残念な結果に

ω-3脂肪酸

総死亡、心血管死亡ではプラセボと差がない

 

 DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)といえば、サプリメントの代表格のような成分ではないでしょうか。これらを含むω-3脂肪酸(オメガ-3しぼうさん)の効果を検証した多くの研究では、これまで惨憺たる結果となっていました。

 

 特に、真のアウトカムとよばれる総死亡・心血管死亡について検証したランダム化比較試験のメタ分析 *1 *2 *3 *4 では、ことごとく、プラセボ有意差なしという結論になっています。

 

 これらは、最近報告されたものばかりです。臨床的効果があるのかどうかは、こうした研究が長年積み重ねられて、はじめてわかってくるものです。

 

サプリメントなのだから、そんなに効果があるわけがなかろう」という意見であれば、そのとおりだと思います。過大な期待は禁物なのです。

 

 そして、今年になって、またひとつ残念な結果が報じられていますので、ご紹介しておきます。

メタ分析(Zhang、2014年) *5

  • P▶ 冠動脈疾患の既往があるなどリスクの高い成人に
  • E▶ ω-3脂肪酸を投与すると
  • C▶ プラセボまたは他の治療に比べて
  • O▶ がん発症、非心血管死亡、総死亡は少なくなるか
  • T▶ 治療、メタ分析
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ビタミンDについて知っておくべきたったひとつの効果

ビタミンD

ビタミンDは骨にいい?

 

 ビタミンDについて、いくつか医学論文を紹介してきました。ちょっと忘れかけていますが、過去記事をご参照ください。

  • 65歳以上のビタミンD単独投与では、股関節骨折予防効果は期待できない。*1
  • 閉経後の女性に対しては、ビタミンDの骨折予防効果は認められていない。*2

 

 ビタミンDは骨にいいというイメージがついていますが、残念な結果となっていました。

 骨には大した効果がないとすれば、ビタミンDには他に何か取り柄はあるのでしょうか?もう少し調べてみることにしました。

 

実はビタミンDには優れた効果が?

 

 ビタミンDと死亡率の関係を検討したメタ分析がいくつもあります。代表的なものをみておきましょう。

メタ分析(Bjelakovic, 2014年) *3

  • P▶ 成人に
  • E▶ ビタミンDを投与すると
  • C▶ プラセボに比べて
  • O▶ 死亡は少ないか
  • T▶ 治療、メタ分析
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ビタミンDに骨折予防効果はあるのか?

骨粗しょう症 ビタミンD

ビタミンDには骨折予防効果はない

 

 ビタミンDに関するコクランのメタ分析が出ています。以前の記事*1でも2009年のメタ分析を紹介していますが、更新されましたので、あらためて見ておきましょう。

メタ分析(Avenell, 2014年) *2

  • P▶ 閉経後の女性または高齢の男性(平均または中央値が65歳以上)に
  • E▶ ビタミンDまたは関連化合物を投与すると
  • C▶ プラセボに比べて
  • O▶ 股関節の骨折は少ないか
  • T▶ 治療、メタ分析
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ビタミンDで骨は強くなりますか?

骨粗しょう症 ビタミンD

 

 ビタミンDについて調べていたところ、タイムリーにもthe Lancet誌今週号にメタ分析が掲載されていましたので、ご紹介したいと思います。

 その前に、これまでのビタミンDの位置づけについて、確認しておきます。

 

ビタミンDに対するこれまでの評価

 

 ビタミンD骨粗しょう症の予防や治療として使われてきました。また、サプリメントとしても広く利用されているようです。

 しかし近年、ビタミンDには骨折予防効果が認められないとする研究が相次いで報告されています。代表的なものとしては、こちらのメタ分析があります。

Avenell A, Gillespie WJ, Gillespie LD, O'Connell D. Vitamin D and vitamin D analogues for preventing fractures associated with involutional and post-menopausal osteoporosis. Cochrane Database Syst Rev. 2009 Apr 15;(2):CD000227. doi: 10.1002/14651858.CD000227.pub3. Review. PubMed PMID: 19370554.

  論文要約はこちらをご参考に。

CMEC-TV/ ビタミンDをとると、骨折を予防できるでしょうか?

 

 カルシウムを併用しないビタミンD単独ではむしろ骨折が多くなっていたという結果です。

 

 また、カルシウムとビタミンDで心血管疾患が多いという気になる報告もあります。

Bolland MJ, Grey A, Avenell A, Gamble GD, Reid IR. Calcium supplements with or without vitamin D and risk of cardiovascular events: reanalysis of the Women's Health Initiative limited access dataset and meta-analysis. BMJ. 2011 Apr 19;342:d2040. doi: 10.1136/bmj.d2040. Review. PubMed PMID: 21505219; PubMed Central PMCID: PMC3079822.

 

 最近の報告から、ビタミンDの効果は懐疑的な流れとなっているように感じます。

 せめて(これまでビタミンDの効果の根拠となっていた)、骨密度については効果がありますよね?という疑問を、今回のメタ分析では確認されています。

 

まさか骨密度までも?

 

 ご紹介するメタ分析はこちら。 骨密度を検討していますので、代用アウトカムの研究です。

メタ分析(2014年)

Reid IR, Bolland MJ, Grey A. Effects of vitamin D supplements on bone mineral density: a systematic review and meta-analysis. Lancet. 2013 Oct 10. pii: S0140-6736(13)61647-5. doi: 10.1016/S0140-6736(13)61647-5. [Epub ahead of print] PubMed PMID: 24119980.

  • P▶ 成人(平均20歳以上)に対して
  • E▶ ビタミンDを投与すると
  • C▶ プラセボに比べて
  • O▶ 骨密度のベースラインからの変化割合は少ないか
  • T▶ 治療、ランダム化比較試験のメタ分析
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夜泣きに効く治療はないですか?

  「夜泣きに自宅でできるような治療や対処方法はないのでしょうか?」

  外来で聞かれました。さっそくUpToDateで「夜泣き」と検索。

"夜泣き (nocturnal crying)"

  日本語検索機能では、夜尿症やらのトピックが検索されるだけで、夜泣きのトピックは検索されませんでした。流石のUpToDateも夜泣きはなかったか・・・と思いながら、「夜泣き」の用語検索すると・・・infantile colicですよね。

  ふたたびUpToDateに「infantile colic」と入力すると、ありました。日本語訳違いですね。

Turner TL, Palamountain S. Evaluation and management of colic. In: UpToDate, Basow, DS (Ed), UpToDate, Waltham, MA, 2012.  
Overview — Colic typically stops as mysteriously as it starts. Symptoms resolve in 60 percent of infants by three months of age and 80 to 90 percent of infants by four months of age [5].
<略>
Although the evidence for specific management strategies may be provided by randomized controlled trials, many of these trials have methodologic weaknesses (eg, were not adequately blinded).
<略>
The interventions may be categorized according to the available evidence as follows [7,8]:
Likely to be beneficial – whey hydrolysate milk
Likely to be beneficial but with unacceptable risks – anticholinergic drugs
Unknown effectiveness – soy milk, casein hydrolysate milk, low-lactose milk, low-allergen diet by breastfeeding mothers, sucrose, herbal tea, reduced stimulation
Unlikely to be beneficial – lactase, simethicone, increased carrying

  UpToDateによると、60%は生後3か月までに、80-90%は4か月までにおさまるとのこと。乳清加水分解乳は効果があるかもしれない、抗コリン薬は効果があるかもしれないがリスクがある、といった記載があります。

  さらに、PubMed Clinical Queries検索すると、2011年のPediatricsにsystematic reviewが発表されていました。

Perry R, Hunt K, Ernst E. Nutritional supplements and other complementary medicines for infantile colic: a systematic review. Pediatrics. 2011Apr;127(4):720-33. Epub 2011 Mar 28. Review. PubMed PMID: 21444591.
■夜泣きのみられる乳児に
サプリメント代替療法を行うと
■治療なしまたはプラセボまたは他の治療と比べて
■主観的な夜泣きの程度は改善するか
■治療、システマティックレビュー 
■結果[※※※]
論文の質が高くはなく、結論が分かれているものが多いが、fennel extract, mixed herbal tea, and sugar solutionsについては、効果が期待できる可能性がある。今後の検証に期待。

  残念ながら、質の高い研究で効果が立証された治療はないようですが、fennel extract(ウイキョウエキス)、ハーブ茶、糖類などについては効果が期待できる可能性もあります。

  どうしてもお困りなら・・・でも、乳児に与えるのにはちょっと心配ですね。

※詳細は原著論文をご参照ください。

繰り返す口内炎にはビタミンB12

ビタミンB

  口内炎は一般人口の25%がかかる病気といわれるほど、よくみられる病気です。私も時々、苦しめられることがあります。
  なかなかいい治療もないのですが、ビタミン剤が処方されることが多いようです。エビデンスを確認してみました。
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Volkov I, Rudoy I, Freud T, Sardal G, Naimer S, Peleg R, Press Y. Effectiveness of vitamin B12 in treating recurrent aphthous stomatitis: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial. J Am Board Fam Med. 2009 Jan-Feb;22(1):9-16. PubMed PMID: 19124628.

■繰り返す口内炎
ビタミンB12 1000mcg、6ヶ月間を内服すると
プラセボと比べて
口内炎の発生期間、発生数、痛みは軽減するか
■治療、ランダム化比較試験
■結果(※※※)
口内炎の発生期間、発生数、痛みともに、5ヶ月以降に少ない。
発生期間
5ヶ月:ビタミンB12 2.36日、プラセボ 3.65日、p<0.05
6ヶ月:ビタミンB12 1.98日、プラセボ 4.84日、p<0.05
発生数
5ヶ月:ビタミンB12 6.00、プラセボ 11.79、p<0.05
6ヶ月:ビタミンB12 3.88、プラセボ 13.39、p<0.05
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  ビタミンB12は短期では効果がなく、半年ほど内服すると効果がみられそうですね。